【ストロボ初心者向け解説】バウンス撮影について-メリットやコツを撮影事例でご紹介-
こんにちは。株式会社ラズスタジオのカメラマンの綾です。
今回のブログは、バウンス撮影について解説します。天バン(天井バウンス)壁バン(壁バウンス)という言葉も聞いたことがあるかもしれません。
バウンス撮影は、アンブレラやソフトボックスなどの照明機材が無くても光を操るライティングテクニックです。
(ただし、ディフィーザー越しにバウンスすることでまた別の撮影表現も可能ですがここでは置いておきます)
このブログを読むことで、バウンス撮影についてのメリットや方法、コツや注意点を理解できます。
目次
1.バウンス撮影について
ストロボの光を天井や壁に向けて発光すると、光が当たった天井や壁から光が跳ね返ってきます。
バウンス撮影とは、この跳ね返ってくる光を被写体にあてて撮影を行うライティングテクニックです。
下の写真は、ストロボの光を直接、被写体の靴に向けて撮影した写真です。
このシューズは真っ黒なんですが、直接ストロボの光をあてて撮影した写真は、強い光により、テカリが強調された画像となっています。
次に、バウンス撮影を行って撮影したお写真が下の2枚です。
上記が天井バウンスをした場合です。
1枚目の画像と比べると、黒の色合いが分かりやすくなったかなと思います。
こちらはシューズの後ろの壁バウンスを行った場合です。
逆光で光があたっており、この場合壁と被写体が近いことから、1枚目と同様に直接光を当てているような、強いバウンスが跳ね返ってきています。しかし、手前は光があたっておりません。
このようなシュミレーションで比べてみると、ストロボの光量やディフィーザーでももちろんすべて変わってくるのですが、
とりあえず1灯では、2枚目の天井バウンスでの雰囲気がシューズは自然にみえるのではないかと思います。
念のためお伝えしますと、3枚目の写真がだめとか、1枚目の写真がだめとかという話ではなく、3枚目の光の当て方でも、最終的に被写体がどう見えればよいかを考えてレフ版や各種ディフィーザー使用、光量やカメラの調節、2灯、3灯目の追加など行って思い描いた通りの撮影に仕上げていきます。
今回は、簡単にというテーマで初心者向けにまずは1灯でもできる、バウンス撮影のメリットから方法、コツ、そして注意点を解説してまいります。
2.バウンス撮影のメリットについて
2-1.天井や壁などの光を当てる面や場所があればすぐに使えるテクニック
バウンス撮影は、撮影場所にある壁や天井を使用するライティングテクニックです。
そのため、ストロボと天井や壁があればすぐに実践できます。光の性質を理解する方法のひとつでもありますので、ストロボ初心者の方には是非実践してほしいテクニックの一つです。
2-2.光の表現方法を広めることができる
直接ストロボを被写体に向けて発光して撮影を行うと、光が強すぎることにより本来の色味が失われたり、影が濃く出やすくなります。この場合、ディフィーザーを使ったり、あえて直光でも世界観を表現するために被写体を光で飛ばして撮影することによって生まれる芸術、技術もあるのですが、仕上げる場合はまだいろいろとコントロールできない初心者カメラマンにとっては直接光をあてる撮影は少し難易度があるかもしれません。
しかしバウンス撮影を行うことで、ある種のディフィーザー代わりになりストロボの光の強さや広がる範囲を変えることで自然で綺麗な仕上がりをわりと簡単にかなえることができます。 やり方や方法によって光の表現方法を広めることができます。
3.バウンス撮影の方法について
バウンス撮影の方法として代表的な「天井バウンス」と「壁バウンス」の2つの方法をご紹介します。
3-1.天井バウンス(天バン)
ストロボの光を天井へ照射し、天井からの反射光を活用するライティングテクニックです。天井バウンス、略して「天バン」と呼ばれることもあります。
天井バウンスを行うことで、ストロボの光を広範囲に広げることができる上に、ストロボを被写体に直射するのに比べ、全体を柔らかい光で包み込むような撮影を行うことができます。
天井バウンスのメリットは、天井から降り注ぐ広範囲の光のため、全体を均等に明るくする自然な光を作り出せます。
3-2.壁バウンス(壁バン)
ストロボの光を被写体の横や後ろなどにある近くの壁へ照射し、壁からの反射光を活用するライティングテクニックです。天バン同様に「壁バン」と呼ばれることもあります。
壁バウンスを行うことで、被写体の真横や真後からの水平に差し込む光を再現できることから、自然光に近い質感の光を再現できます。今回で言うと、壁バンは光の跳ね返りが強く、後ろのシューズは直光に近いあたり方になっています。
3-3.天井や壁以外にもカポックやレフ板を使用する方法もあります
天井や壁以外にも、レフ板などを天井や壁に見立てて撮影を行うことができます。
設置したレフ板に向けて発光することで、バウンスも可能です。
4.バウンス撮影のコツについて
4-1.反射した光が届く場所を見つける
バウンス撮影をより成功させるコツは、反射した光が被写体にしっかりと届くように、ストロボの光の方向と光量の調整をすることがポイントです。それ以外にも、ストロボの光の角度も関係します。その角度について解説します。
4-1-2.ストロボの角度によって届く場所が変わる
ストロボの照射角度によって、光の届く場所が変わります。
被写体に光を届ける場合はカメラと被写体の距離の中間あたりを基本として設定を行うとスムーズです。
反対に、下のイラストのように、真上に向かってストロボを照射すると、光はほぼ真下に反射されてしまいます。十分な光が被写体に届かなくなるのでご注意ください。下記のようになると暗く写るということです。
5.バウンス撮影の注意点
5-1.反射させる天井や壁の色に注意する(色かぶり)
バウンス撮影において、反射させる天井や壁の色に注意することもポイントです。
白色などであれば問題なく白い光を届けることができます。しかし、反射させる天井や壁がカラーだと、その天井や壁のカラーを反射光に含んでしまいます。合成撮影で使うグリーンバックなど、たまに写って見えることが例です。
下記の例の場合、天井や壁が赤色だと、ストロボの光が白色でも、反射光には赤色が含まれてしまいます。この現象を”色かぶり”と呼びます。
光の中の赤の要素が強くなり、被写体にかぶる光がもとのストロボの光よりも赤色を帯びます。このように色味のある天井や壁のバウンス撮影の際は、カラー調整などを行う必要が発生します。
また、黒色の場合は反射ではなく、反対に吸収してしまいます。そのため黒色の壁や天井はバウンス撮影には適していません。
黒色は光を吸収するため、光が反射されず、バウンス撮影が成立しません。
そのため、バウンス撮影時には天井や壁などの色を確認してください。
5-2.天井や壁が被写体から遠すぎると、バウンスした光が届かなくなる
被写体に対して天井が高かったり、壁が遠かったりするなど、天井や壁が被写体から遠すぎると、ストロボからの光が十分に天井に行き届かなかったり、届いたとしても、反射した光はより弱い光となるため、被写体に光が届かなくなります。
天バンでストロボの光量を強めても解決できない場合は壁バンなど別の場合を考えたほうがよいでしょう。
また、フル発光撮影だと、ストロボ本体への負荷が重なったり、電池の消耗を早めてしまうなどの問題も発生しやすいです。
6.まとめ
今回のブログは初心者向けに1灯のストロボがあれば簡単に行えるバウンス撮影についてご紹介しました。
バウンス撮影はストロボと天井もしくは壁があればだれでも簡単に行えるライティングテクニックです。方法やポイントをしっかりと押さえれば、より様々な表現の幅を広げることもできます。
バウンス撮影はプロのカメラマンでも活用するテクニックの一つですので、ライティングテクニックを徐々に向上するために覚えておいて損はありません。是非このブログを参考に挑戦してみてはいかがでしょうか。
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それでは、今回の記事はここまで。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!