【フリッカー現象について】室内撮影時の照明のお話
こんにちは。LUZZ STUDIOの店長・綾です。
今回のブログは、野外での撮影ではなく、室内での撮影時に起こりやすい問題…フリッカー現象のお話です。
室内で撮影をし後からデータを見返すとなんだか急に暗くなってしまっている写真だったり色味が変わっている写真があった経験はありませんか?
そんなとき、「なにかカメラが悪かったのかな?撮影している自分が悪いのかな?」
なんて、原因を自分自身で考えてしまいがちですが、実は、別に原因があるのです…。
今回はその原因と防ぐ方法についてご紹介してまいります。
目次
1.室内で撮影していると、明るさや色味がおかしくなる
野外ではなく、室内(ご自宅や撮影スタジオなど)で撮影を行った後、撮影データをいざ確認すると途中のカットで色味や明るさがおかしくなった経験はありませんか?
例えば、この4枚の写真、
全体的に明るかったり暗かったりと明るさがバラバラですよね。
しかしこの写真…
全て、同じ露出設定で撮影をしています。
カメラの露出の設定も一切変えていないのに、まるで設定を変えたようなムラのある写真に仕上がっています。
このような経験、ありませんか?その時の撮影の環境を思い出してみてください。
もしかしたら、室内の光、つまり“蛍光灯”で撮影していませんでしたか?
カットの中に色味や明るさがおかしくなる現象、実は蛍光灯が原因なんです!
蛍光灯が原因でこのような明るさや色味が変わってしまう現象のことを「フリッカー現象」と呼ばれています。
2.フリッカー現象とは?
フリッカー現象とは、点滅している光の瞬間をカメラで撮影すると、カメラの設定は変更していないのに、写真の色味や明るさが他の写真と比べて異なっている撮影結果のことを指します。
2-1.蛍光灯は人間の目には見えない速さで点滅している
私たちが普段目にし日常的に使用している蛍光灯。常に光っているものだと見えがちですが、実は私たちの目では捉えることのできないスピードでON/OFFの点滅を繰り返しています。
切れかけの蛍光灯を思い出してみてください。とてもチカチカと点滅を繰り返しますよね。
万全の蛍光灯だと、あのチカチカが私たち人間の目では認識できないほどの速さで点滅し、人間の目は常に光っているものだと認識してしまうのです。
この蛍光灯の点滅の回数は、その地域の電源の周波数の倍の数字が1秒間の点滅回数といわれています。
東日本は50Hz(ヘルツ)なので、その倍の数字の100回
西日本は60Hz(ヘルツ)なので、その倍の数字の120回
そのため、人間の目にはこの点滅が見えず、常に光っていると認識してしまうのです。
2-2.人間の目には見えなくても、カメラは捉えることができる
この人間の目には認識することのできない光の点滅を、カメラは捉えることができます。
その理由としてシャッタースピードが関係しています。
シャッタースピードはカメラに光を取り込む時間を調整する機能になっており1/1=1秒と共通となっております。
つまり、1秒間に100回(120回)の点滅よりも、早いシャッタースピード(1/1000や1/500)などで蛍光灯の下で撮影すると、フリッカー現象が発生してしまいます。
先ほどのフリッカー現象の撮影見本も、シャッタースピードが1/1000となっています。
3.フリッカー現象を防ぐには
そんなフリッカー現象を防ぐには、いくつか方法があります。
- 蛍光灯の点滅に合わせてシャッタースピードを設定する。
- クリップオンストロボをはじめとする撮影用照明を使用する。
- カメラの露出設定を蛍光灯の光を感知しない設定にする。
今回は主に、1と2の方法について解説していきます。
3-1.蛍光灯の点滅に合わせてシャッタースピードを設定する
蛍光灯のもとで撮影をする際は、点滅回数を超えないシャッタースピードを設定することで防ぐことができます。
東日本は50Hz(ヘルツ)なので、その倍の数字の100回
西日本は60Hz(ヘルツ)なので、その倍の数字の120回
そのため、東日本ではシャッタースピード1/100、西日本では1/120のシャッタースピードより早いシャッタースピードを設定しないことで、フリッカー現象を防ぐことができます。
3-2.ストロボをはじめとする撮影用照明を使用する
撮影用照明を使用することで、フリッカー現象を防ぐことができます。
撮影用照明とは、定常光ライト、クリップオンストロボやモノブロックストロボなどを指します。
撮影用照明を使用する際は、室内の蛍光灯を消灯したうえでの使用をオススメしています。
3-2-1.定常光ライトの場合
定常光ライトは蛍光灯と違い、点滅のない光り続けている照明です。
点滅の無い照明のため、フリッカーを防ぐことができます。
定常光ライトについてはコチラの過去記事を参照くださいませ。
http://luzzstudio.xsrv.jp/photo-lighting-steadylight/
3-2-2.ストロボライトの場合
ストロボライトは撮影用の強い光を瞬間発光する照明のため、こちらも点滅の無い照明によってフリッカーを防ぐことができます。
蛍光灯を消灯したうえで、光量不足などによりピント合わせが難しい場合、モデリングランプを使用しすることをオススメしています。
ストロボライトについてはコチラの過去記事を参照くださいませ。
3-2-3.撮影照明機材があるが、室内の蛍光灯が消せない場合
フリッカーを防ぐための照明機材を使用した撮影方法では、蛍光灯を消灯したうえでの撮影を推奨しています。
しかし、モデリングランプの無いクリップオンストロボを使用する場合などや蛍光灯を消して撮影をすることができない場合、カメラを蛍光灯の光を感知しない、低い感度の露出設定にします。また、ストロボの光量はこの低い感度の露出設定に対して、反応する光量に設定します。
このような方法を用いて、フリッカー現象を防ぐことができます。
4.撮影用照明が設置・貸出している撮影スタジオを利用する
フリッカー現象を防ぐ方法をご紹介しましたが、「照明用の機材を使う、なんていうけれど、照明ってどんなのを買えばいいの?どうやって使えばいいの?」と思う方がいらっしゃると思います。
そんなときは撮影用照明が設置されている撮影スタジオを利用する方法をオススメいたします。
撮影用スタジオであれば、撮影用照明が標準装備だったり、貸し出しを行っているスタジオがあります。購入前にお試しで使用することができます。
さらには使用方法もスタッフの方が教えてくれるスタジオもありますので、そういったスタジオを利用して撮影するのも一つの方法です。
5.まとめ
撮影をしていると色味や明るさが変わってしまう、今回はフリッカー現象について解説してまいりました。
「カメラがおかしいのかな?」なんて思ってしまう撮影結果ですが、「実は室内の蛍光灯が関係しているよ!」ということがこのブログを読んでわかって頂けるととっても嬉しいです!!
このブログの筆者が店長をしていますLUZZ STUDIOでは、撮影用照明として定常光ライト、モノブロックストロボを無料貸出を実施しております。
さらにはスタッフによる使用方法のレクチャーやセッティングのお手伝いもさせていただいておりますので、今回のブログを読んで、気になった方はぜひご利用をお待ちしております。
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それでは、今回の記事はここまで。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!