【アンブレラとソフトボックスの“光の広がり方”解説】撮影画像あり!初心者カメラマン向け
2022年8月23日更新 リンク修正
みなさまこんにちは。株式会社ラズスタジオのカメラマンの綾です。
今回のブログは、アンブレラとソフトボックス、実際の光の広がり方の違いを撮影した画像をご用意し、それをもとに解説していきます。
このブログを読むことで、アンブレラとソフトボックスの違いを、より具体的な光の広がり方、影響を知ることができ、より深くアンブレラとソフトボックスの違いを理解する参考になれば幸いです。
目次
1.アンブレラとソフトボックスの違い
1-1.「アンブレラとソフトボックスどっちも買ってみよう」その前に見てほしい。
現在、某大型ネットショッピングサイトでアンブレラやソフトボックスと検索すると、比較的に手に入りやすい値段で販売されています。
しかし種類が多すぎますよね。
さらに「どっちも購入して、片方使わなくて、押し入れの肥やしにしてしまったら…!!!」なんて、こともあるかもしれません。
2.アンブレラとソフトボックスの違いは「光の広がり方」
アンブレラとソフトボックスの違いにを一言で表すと、「ディフューザーとしてストロボの光を拡散させる範囲が違う」です。
この、ストロボの光を拡散させる範囲が異なることによって、
- 被写体にかかる陰陽(コントラスト)の違い
- 写真全体の仕上がりの明るさ
などを例に写真の仕上がりに影響を及ぼすのがアンブレラとソフトボックスの違いとなります。
3.アンブレラとソフトボックス「光の広がり方」を比較。
その光の広がり方を是非皆様にお見せできるよう、スタジオで光の撮影を行いました。
- カメラの設定:ISO:100、シャッタースピード:1/25、F値:5.0
(このカメラの設定はストロボの光のみを写真に映し出す為の数値として設定) - ストロボの光量:1/8固定
- ライトスタンドの軸位置を動かさず撮影。
の写真を並べました。
今回使用したディフューザーはホワイトアンブレラとソフトボックス(オクタゴン)です。
(上:ホワイトアンブレラ、下:ソフトボックス(オクタゴン))
間違い探しのような写真ですが、明らかに異なる点が、光の広がり方の違いから生まれています。
大きな違いしては3つあります。
1つ目・・・壁の照らされ方
アンブレラは被写体奥の壁が広範囲に明るく照らし出されています。それに対し、ソフトボックスはボックス面の向けられた方向だけに向かって照らし出されています。
2つ目・・・床の照らされ方
アンブレラは壁同様に、床も広範囲を照らしだされています。それに対しソフトボックスは床への光の影響は少ないです。
3つ目・・・写真の明るい部分と暗い部分との明度の差(コントラスト)
とくに注目してほしいのが背景の明暗差。アンブレラは白の明るさの幅が大きく、徐々にグレーへ変化しています。
それに対しソフトボックスは白の明るさの幅が小さく、すぐにグレーへ変化しています。
3-1.アンブレラは光が広範囲に分散される。
今度はアンブレラの写真を詳しく見ていきます。
先ほどの比較で提示した特徴は下記の3つです。
①アンブレラは壁も含めて広範囲に明るく照らされています。
②アンブレラは壁の他にも床も照らしています。
③アンブレラは、白の明るさの幅が広く、徐々にグレーに変わる。
この3つの点からアンブレラは様々な角度から広範囲に光を届けていることがわかります。
そして、光が広範囲に広がることで被写体だけではなく、壁や床に光が広がります。
届いた光の中で直線ではなく角度のついた光はさらに反射が起こり、さらなる光の拡散が発生します。これを”光の乱反射”と言います。(但し、反射した光というのは、元の光よりも弱い光になります。)
この壁や床が反射した無数の光が重なと、いろんな方向から被写体に光が当たることになります。これがよく言われる「光が回っている」という状況です。
その結果、アンブレラでは、広範囲に広がった光によって、被写体にかかる陰が薄くなることで、全体としてふんわりと明るい写真に仕上がるのが、アンブレラの特徴と言えます。
3-2.ソフトボックスは光が直線的にいきわたる。
次はソフトボックスの写真を詳しく見ていきます。
先ほどの比較で提示した特徴は下記の3つです。
①ソフトボックスは限られた範囲の壁が照らされている。
②ソフトボックスは床の照射範囲としてはアンブレラに比べると少ない。
③ソフトボックスは、白の明るさの幅が局所的で、すぐグレーへと変化している。
この3つの点からソフトボックスは限定的な範囲に光を届けていることがわかります。
そして、この光はアンブレラのように広範囲に広がらないため、壁や床からの反射光は少なくなることでアンブレラに比べて「光が回っていない」ということになります。
その結果、ソフトボックスでは、明るい部分と陰の部分の違いが被写体に出やすいことから、立体感を感じさせる写真に仕上がりやすいのがソフトボックスの特徴と言えます。
4.アンブレラとソフトボックス「光の広がり方」を正面から比較してみよう。
より、理解を深めるために、今度は照射部分を真正面から撮影した写真を比較します。
- カメラの設定:ISO:100、シャッタースピード:1/25、F値:5.0
(このカメラの設定はストロボの光のみを写真に映し出す為の数値となっています。) - ストロボの光量:1/8固定
- ライトスタンドの軸位置を動かさず撮影。
の撮って出しの写真を並べてみました。
(左:アンブレラ、右:ソフトボックス)
アンブレラは、照明をセットしている後ろの壁が薄いグレーになっています。つまり、照明が向いていないはずの後ろにまで光が広がっています。
それに対し、ソフトボックスは照明をセットしている後ろの壁はほとんど暗くなっています。 つまり、照明が向いている方向に向かって光が広がっています。
4-1.アンブレラの広がり方
アンブレラは、、床や壁、さらには天井にまで光を届けその光が乱反射することにより、アンブレラの後ろですら明るく映し出しました。
このことから、アンブレラで拡散した光は、照らされている方向だけにとどまらず、反射する面があればあるほど光を広範囲に広げることがわかります。
4-2.ソフトボックスの広がり方
ソフトボックスは、前一方向に光が広がっているため、アンブレラのように背景への光の影響がないため、壁は暗いグレーになっています。
以上の結果から、
アンブレラは前後問わず広範囲に光を広げ、ソフトボックスは、前一方向に向かって光を広げているということです。
以上が、アンブレラとソフトボックスについての光の広がり方の違いについてお話ししました。
ここからは、さらに踏み込んで、「アンブレラの白と銀との違い」、「ソフトボックスの形による違い」の比較も行ったので、ぜひ参考にしてください。
5.アンブレラの材質での違い(ホワイトとシルバー)
(上がホワイトアンブレラ、下がシルバーアンブレラ)
ホワイトは傘の内側全面が照らしだされています。
シルバーは中心部分が一番強く照らされ、周辺の光は弱くなっています。
この強弱が生まれたことにより、光で照らされている部分と、照らされていない部分のコントラスト比が強まり、立体感のある印象に近づいています。
このように、材質が変わるだけで光の広がり方が変わり、印象が違ってきます。
6.ソフトボックスの形での違い(オクタゴンとボックス)
形での違いをということでオクタゴンタイプ(直径80㎝)とボックスタイプ(90㎝x60㎝)で比較をしました。
(上:オクタゴンタイプ(直径80㎝)、下:ボックスタイプ(90㎝x60㎝))
結果としては、変化はあまり見られず、大きな差は現れませんでした。
しかし、格子のグリッドをつけたところ、違いが出ました。
オクタゴンタイプは中心の点から上下に光が広がりました。
ボックスタイプは中心が直線の状態から上下に光が広がりました。
芯となる光の道筋が異なっていることが見えました。
7.まとめ
以上、アンブレラとソフトボックスの違いを「光の広がり方」で解説してまいりました。
光の広がり方を知ることで、ご自身の撮影を行う環境やイメージに沿ったディフィーザーアイテムの選択が可能となり、照明を使った撮影の深みにはまり撮影が楽しめること間違いなしです!
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それでは、今回の記事はここまで。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!