撮影スタジオ・屋内でのストロボ撮影のカメラ、マニュアル設定方法について解説

2023年11月21日 テキストリライト

大阪の撮影会社の株式会社ラズスタジオです。

今回のブログは、撮影スタジオをはじめとした、屋内環境下で、ストロボを使用して撮影する際のカメラの設定方法の考え方やプロセスについて解説します。

屋内環境でストロボを使用することで、

  • 環境、天候、時間に左右されずに撮影ができる。
  • 撮影者自らが光を操り、思い描いた写真や表現を作り上げられる。

ことが挙げられます。

 

しかし、ストロボを使い始めのときは、なかなか思い描いている仕上がりとは異なってしまっていませんか?

光が強すぎてしまったり、暗くなってしまったり等々…。

思い描いている写真を作り上げられず、ストロボに苦手意識を持ってしまったということをよく聞きます。

そんな問題を解決する方法は、

  1. カメラのマニュアルモードで撮影
  2. カメラの露出設定
  3. ストロボの光量設定

この3点が解決ポイントとなります。

 

今回のブログは、この3点について実際の撮影を交えながら解説していきます。

1.カメラのマニュアルモードで撮影する

まず初めに、ストロボを使用する撮影において、なぜカメラの設定をオートではなくマニュアル設定で撮影することをオススメする理由をお伝えします。

・カメラのオート機能について

カメラの各種オート機能は、カメラが自動的に適切な露出を計算して、シャッタースピードと絞り値を設定します。

露出設定についてはこちらの記事でより詳しく解説しております。(新しいタブで開きます)

しかし、ストロボは撮影する瞬間にだけ光るフラッシュ光です。

そのため、オート設定の状態のカメラでは、シャッターを切った瞬間に発光するストロボの光を過剰に取り込んでしまう場合があります。

その結果、光を過剰に取り込んでしまうことで真っ白な写真に仕上がることがあります。

これがよくあるオート撮影でのストロボ撮影の失敗例の一つでもあります。

 

そうならないためには、ストロボを前提としたカメラの設定をしてあげることが重要です。

そのため、自身で露出設定をコントロールできるマニュアル設定での撮影をオススメしています。

2.カメラの露出設定の基本

・ISOは低めの数値

ISOは取り込む光の量と明るさに影響します。

基本はストロボの光だけを感知できる数値にしましょう。
ストロボは強い光を発光するため、100などの低い数値でも、しっかりと明るさを感知します。

その結果、ノイズの少ない、綺麗な画質で撮影を行うことができます。

ただし、「暗い屋内での撮影」「動きのある被写体の撮影」といった環境やシーンによっては、ISO感度を高くする必要があります。

撮影した写真を確認し、調整を行うことが大切です。

ISOについてはこちらの記事でより詳しく解説しております。(新しいタブで開きます)

 

・F値(絞り値)は被写界深度に合わせて使用する

ストロボ撮影時の絞り値は、被写界深度を調整するために使用します。

  • 背景をぼかし、被写体を引き立たせたい場合は、絞り値を小さくして被写界深度を浅くします。
  • 被写体にしっかりとピントを合わせたい場合は、絞り値を大きくして被写界深度を深くします。

基本スタートとしては F5.6 がおすすめです。
基本的なレンズに搭載されている中間にあたる絞り値です。

中間の値なので、F5.6で1度撮影をしてみたあとの調整がわかりやすいという点があります。

 

例えば、撮影する背景が無地の背景の場合。

F値によるボケ感というのはあまり必要がないので、
F5.6よりも数字の大きい方の絞り値にすることで、被写体にピントがしっかりとあった仕上がりになります。

この場合、明るさが暗くなりますので、

  • ストロボの光量を上げる
  • ISO感度を上げる

といった明るさの調整が必要です。

 

反対に、意図的にボケさせたい背景がある場合は、
F値をF5.6より数字の小さい方の絞り値(開放寄り)にすることで背景をボケさせることができます。

この場合、写真の仕上がりが明るくなりますので、

  • ストロボの光量を下げる
  • ISO感度を下げる

といった、明るさの調整が必要です。

 

このように撮影イメージに合わせた細やかな調整が大切です。

F値についてはこちらの記事でより詳しく解説しております。(新しいタブで開きます)

 

・シャッタースピードは手ブレを起こさないように

ストロボ使用時の撮影では、シャッタースピードは手ブレ、被写体ブレに影響します。

そのため、 1/125 といった、手ブレも被写体ブレも起こさないシャッタースピードを基準として設定します。

 

・シャッタースピードは写真の明るさに影響しない

ストロボの光は自然光などの一定の光を放ち続ける定常光とはことなり、一瞬の強い光を放ちます。

この一瞬の強い光を取り込めるシャッタースピードの限界の速さを同調速度とよびます。

この同調速度を超えるまではシャッタースピードが早くても遅くても、写真の明るさには影響を及ぼしません。

この同調速度は、それぞれのストロボのスペックによって異なりますが、およそ1/125あたりがその速度に対応できるので、1/125を基準にします。
※カメラやストロボのスペックによっては、1/250まで対応できるものもあります。

 

1/125以上の早いシャッタースピードで、黒い幕が映されたらそれがそのストロボの同調速度を超えた目安といえます。

ストロボ撮影時のシャッタースピードの設定目安

  • 手持ちで撮影…1/100~1/250
  • 暗い室内での撮影…1/60~1/125
  • 動きのある被写体の撮…1/125~1/250

 

シャッタースピードについてはこちらの記事でより詳しく解説しております。(新しいタブで開きます)

 

ここまでが、カメラのマニュアル設定についての解説となります。

 

3.ストロボの光量設定

ストロボの光量は光の強さと明るさに影響します。

ストロボ撮影において、初心者の多くは、明るくするには、ストロボの光量数字を大きくすればいいと思い込みがちです。

しかし、実際はそうではなく、

  • ストロボの光量
  • カメラの設定
  • ストロボと被写体との距離

といった様々な要素が組み合わさって、仕上がりが決まります。

そのため、暗い室内だからといって、ストロボの光量を最大出力1/1で撮影を行うと、明るくなりすぎてしまうのです。

そこから調整をするにも

「ストロボの設定なのか?カメラの設定なのか?」がわからなくなってしまい、その結果苦手意識が出てしまう。というお話をよく聞きます。

 

オススメの方法はまずはストロボで設定できる光量数値の中間の数字から撮影を始めてみてください。

例えば、1/256~1/1の光量調節が可能なストロボの場合、1/64を基準としてスタートします。

一旦、被写体にかかるストロボの光の強さをみて調整し、ストロボの光量を設定します。

そのあとに、カメラの露出設定を調整すると良いでしょう。

 

ストロボと被写体との距離について

ストロボの被写体との距離は、光の強さと範囲に影響します。

 

被写体に光が必要だが、光量がどうしてもこれ以上強くできない場合は、被写体に近づけることで解決できたり、

逆に被写体に光が強くなりすぎている場合は、被写体から離すことで解決できる場合があります。

 

このように、ストロボを使用する場合は距離も重要となります。

距離については撮影環境やイメージする撮影の仕上がりによって異なりますが、

大体1m~2mほど離した位置から調整すると良いでしょう。

4.【実践解説】スタジオでストロボの光だけを使って撮影

真っ暗な写真からストロボを1/16の光量で撮影した写真

それでは実際に撮影をした流れにそって、上記写真の仕上がりまでのカメラ設定ならびにストロボの設定の流れを解説していきます。

今回のライティングの設置はこのようになっています。

撮影ライティングセッティング図

右側の光を起こすためにストロボの向かい側に銀レフを設置しました。

 

手順1.カメラ・ストロボの設定

まずはストロボの光量を設定していきます。

ストロボの光しか感知しない環境並びに設定を行います。

今回はISO100、シャッタースピード1/125、F値5.6で真っ暗な写真を撮影できました。

室内灯を感知させずに撮影した真っ黒な写真

ISO100、シャッタースピード1/125、F値5.6

 

手順2.ストロボを点灯し、ストロボの光量を調整する

先ほどの設定のままストロボを光量1/16で発光して撮影しました。

<ISO100、シャッタースピード1/125、F値5.6、ストロボ光量1/16

ストロボの光量はが少ないため、被写体がほとんど映し出されていませんので、さらにストロボの光量を上げます。

<ISO100、シャッタースピード1/125、F値5.6、ストロボ光量1/8

ストロボの光量を1/8に設定し撮影しました。

先ほどより明るくなりましたが、まだまだ暗いので、さらに明るくします。

<ISO100、シャッタースピード1/125、F値5.6、ストロボ光量1/4

ストロボの光量を1/4に設定しました。

ようやく、被写体全体が明るくなりました。しかし左側の背景が白飛びしてしまっています。ブログ画面上でも境界線がわからなくなっています。

被写体への明るさは丁度いいですが、ストロボに近い場所が明るくなり過ぎているので、ここからはカメラの設定で調整していきます。

 

手順3.カメラの設定で調整する

ここからカメラの設定を調整していきます。

この時点の問題点はストロボに近い左側が白飛びしてしまっている問題です。

ここで挙げられる解決方法としては2つ。ISOを調整するか、F値を調整するかです。

  • ISOを調整すると取り込む光の量と明るさに影響します。
  • F値を調整すると被写界深度(ピントの深さ)と明るさに影響します。

この2つの値を考えたときに、ピントか明るさを考え、撮影した写真を確認します。

そうすると、「もう少し、ピントが決まったシャープ感が欲しいな」という思いが芽生えました。なので、今回の調整はF値で調整をすることにしました。

・F値で調整をする

<ISO100、シャッタースピード1/125、F値8.0、ストロボ光量1/4>

F値を5.6から8.0に絞り、撮影をしました。F値を絞ることで、暗くすることと、ピントを合わせる被写界深度を深めるためです。

暗くなり、ストロボに近い部分の白飛びが解消しました。全体できな仕上がりにも少しシャープ感が出てきました。しかし写真全体が暗くなりすぎ、またピントのシャープ感も強くなりました。そのためF値をもうすこし解放寄りに調整しました。

<ISO100、シャッタースピード1/125、F値6.3、ストロボ光量1/4>

F値を8.0から6.3に開放、撮影をしました。F値を解放することで、今度は明るくすることと、ピントを合わせる被写界深度を浅くするためです。

全体的に明るく、なりつつも、左側の白飛びは防げています。しかし、造花の中心部にある白色の部分の色が白っぽくなり過ぎているので、もう少しだけF値を調整します。

<ISO100、シャッタースピード1/125、F値7.1、ストロボ光量1/4>

F値を6.3から7.1に絞り、撮影をしました。

この仕上がりを見て、今回の撮影は

<ISO100、シャッタースピード1/125、F値7.1、ストロボ光量1/4>でゴールとしました。

もちろんこのゴールは人それぞれの思い描く写真によって異なりますので、あくまで一つの参考例としてくださいませ。

 

この手順から見てわかるように、ストロボ撮影で大切なポイントは

最初の設定から、イメージの仕上がりにするための問題点を出し、どうしていくかを決めて実行し、理想に近づけていく作業が大切です。

そして、回数を重ね、慣れてくるにつれて、この問題点の解決と手順がスピードアップしていきます。

だからこそ、カメラのマニュアル設定で撮影することで、細やかな調整を行う基礎ができ、ストロボ撮影の上達につながるのです。

 

5.(おまけ)色味の調整はホワイトバランスで行う

ここまでカメラの設定とストロボの設定の露出についてお話しをしてきました。ここに+αの暖かさをプラスする方法もお伝えします。

・太陽光(5200K)で撮影

<ISO100、シャッタースピード1/125、F値7.1、ストロボ光量1/4、WB太陽光(5200K)

今回の撮影では太陽光(5200K相当)で撮影を行いました、このままでも綺麗ですが、少し青みがかかっており、アンティーク調の可愛い造花なので温かさが欲しいと思いました。

・くもり(6000K)で撮影

<ISO100、シャッタースピード1/125、F値7.1、ストロボ光量1/4、WBくもり(6000K)

カメラの設定もストロボの設定もそのままに、ホワイトバランスをくもり(6000K)で撮影をしました。
そうすると暖色の色味が乗り、あたたかな印象に仕上げることができました。

このように、写真の雰囲気を変える方法のひとつとしてホワイトバランスが活躍できます。

ホワイトバランスはストロボの明るさなどに直接影響はありませんので、
最後の仕上げ調味料のように活用すればより表現の幅を広げることが可能です。

5.まとめ

ストロボ撮影において、明るくするには、ストロボの光を強くすればいいと考えがちです。

しかし、実はそうではなく、カメラの設定から、ストロボと被写体との距離など様々な要素が組み合わさって、理想に描いた一枚の写真が仕上がります。

是非今回のブログを読んで、そんな写真の奥深さと楽しさを感じていただき、ぜひ調整していただければ幸いです。

ストロボを使った撮影方法は下記記事でもご紹介しておりますので、ぜひご覧くださいませ。

【初心者向け】 自然光再現のストロボライティングの方法とポイントをご紹介!

【初心者向け白ホリ(白背景)での人物撮影】ストロボを使って背景をグレーバックにする方法

【初心者向けライティングテクニック】スタジオ撮影で晴れの日でなくても、影のある写真を撮影する時短な方法

 

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それでは、今回の記事はここまで。

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